皆さまこの痛ましい事故についてはニュースでご覧になったことでしょう。

4月17日、北海道斜里町で79歳の女性が飼い犬である秋田犬に腕などを咬まれ、
出血性ショックで死亡するという事故が起きました。

つい先日、ゴールデンレトリバーによる死亡事故が起きており、
立て続けなニュースとなってしまいました。

今回の事故については、ニュース報道で見る位しか情報がない為、
なぜこのような痛ましい事故が起きたのか、
そして、事故を引き起こす要因な何だったのかについては
憶測の域を脱しないものと察します。
特に、その現場・その瞬間のことは目撃者もいない為、
当人にしか分からないことでしょう。
飼い犬によって命を失う・・・。こんな無念なことがあるでしょうか。

ここで考えたいことがあります。
果たしてこれは他人事なのか?ということです。
それは秋田犬が大型犬だからとか、うちの愛犬は小型犬だし・・・、等
そんなレベルの話ではないですよね?
同じ犬飼いとして真剣に向き合うべき事例だと考えます。

今回は、この事件について考察してみたいと思います。
私は動物学の専門家でもありませんし、しつけのプロでもありません。
自分なりに調べたことを述べるしか術がありません。
その中で一緒に考えてくれる方が現れてくることを願います。


秋田犬とは?
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秋田犬は日本犬に中では大型犬種に属しています。
飼い主に対する忠誠心が強く、全力で飼い主に尽くうとする犬種です。
この辺は柴犬と非常に似ており、各犬種というより日本犬が伝統的に
培ってきた気質というべきかもしれません。

飼い主には非常に忠実な反面、他者に対しては警戒心を発揮します。
自分が子供の頃は犬を室内で飼うなんてまずありえなく、
庭に鎖でつながれたよく吠える犬をたくさん目にしたものです。
日本という国の住宅事情やその他の環境では当然だったと思います。
だからこそ日本犬は立派に番犬として生活していたのです。

柴犬もよく飼うのが意外と難しいと言われる犬種です。
体格の大きな違いはあれど、柴犬の性格・気質は同じ日本犬の秋田犬と似ていると思います。

忠誠心が強いということは、飼い主がしっかりしつけをしないと
問題犬になりやすいということなのかもしれないと日々感じています。

秋田犬は雄で体高67cm前後、体重50~59kgだそうです。
この体格でしつけが入らないような状態では、非常に恐い存在となります。

最高のパートナーにもなりえるし、脅威にもなりえる。

実際、秋田犬ないしは日本犬に対して凶暴なイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?

私は小学低学年時、友達の家の秋田犬に襲われた経験があります。
偶然鎖が外れており、子供の甲高い声にいささか興奮した状態で追われ、
最終的には押しつぶされ馬乗りのような恰好になりました。
幸い、家族が気付きすぐ引き離されたので咬まれることはなく、
肩に爪痕がついただけでした。
きっと、遊びの輪に入りたいという陽気な心が働いただけだったと思っています。
しかしあの体格、子供には抑えようもありませんでした。

私がその後、犬嫌いになったかというと全く逆です。
かえってその犬を悪者にしてしまったという子供ながらの反省がありました。


咬傷死亡事故はなぜ起こったのか?
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今回の事故について、その後の情報よると飼い主が今年に入ってから
ほとんど散歩に連れて行くことができていなかったようです。
雄で3歳となると元気で遊びたい盛り。
相当のストレスがあったのではないかとの見解が見られます。

これは確かに一番の要因となるのではないかと思います。
主人を傷つけようという意思ではなく、日頃のストレスからくる何かしらの要求を
咬むという行為で表現した結果が今回の惨事だったのではないでしょうか。


では簡単に「散歩に行かない飼い主が悪い」で済む話しなのか?
私は今回、ここを最重要ポイントとして考えています。



老々介護ならぬ老々飼育

秋田犬による咬傷死亡事故という痛ましい事故が実際に起きたわけですが、
同じ愛犬として感じるのは、犬の心身状態は環境要因に大きく作用されるということです。

記事を読むと、今回事故に遭われた方とそのご主人は年齢で言うと後期高齢者です。
当然、何かしらの病気があったり足腰も弱くなってきます。
その飼い主が犬の散歩、ましてや大型の秋田犬の散歩をし克つ、満足させてあげられる程の
運動量を与えることが果たして可能だったでしょうか?

私は仕事柄、犬を飼う高齢者を見るのですがチワワやトイプードルのような小型犬でさえ
十分に世話をするのが難しい現状を知っています。

人間側は愛犬と一緒にいられる喜びを感じるだけで済みますが、
その環境に置かれた犬は心身が次第に壊れていくと思います。
決して人間の自己満足の手段に生き物を使うべきではありません。

今回の家庭ではどのような状況で秋田犬を飼うことになったのかは分かりません。
家庭環境も知る由もありません。
ですので、勝手なことは言えません。
ただ残念なことは、どうすることもできなかったご夫婦に手を差し伸べる存在がなかったことです。
手を差し伸べること自体容易ではないことも承知です。
犬に対する知識も必要ですし、継続的な助けじゃないと意味を成しません。

現代日本は超高齢化社会です。
このような環境で犬を飼育する方はとても多いと思います。
人間誰でも老いを避けることはできません。

『犬が大好きだから、年をとっても飼い続けたい!!』
私だってそんな気持ちでちゃろと暮らしています。

じゃあその時は自分はどうするのか?
自身の体の状態よりも犬を飼う満足感を優先するのか?
「いやいや、そんな無謀なことはしないよ」と、断言できるのか?

こう考えると、今回の事故は決して他人事ではないように思えませんか?

数年に1件位、日本でも犬による咬傷死亡事故は発生してます。
愛犬家としてそこから何か教訓を得て、自分の家族や周りの人間ないしは自分自身に
つなげていかなくてはならないと私は強く感じる次第であります。

最後に、今回犠牲になられた方のご冥福をお祈りいたします。